ScreenKiss Vol.252

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Vol.252
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>☆ C O N T E N T S ☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆<

  □千と千尋の神隠し
  □ジュラシック・パーク3
  □猿の惑星
  □ロシアン・ブラザー
  □ライムライト

>☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆S_c_r_e_e_n_K_i_s_s☆<

>>☆1☆千と千尋の神隠し☆<<
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    ★★★★★
    2001/日本/125min
    監督:宮崎駿
    声優:夏木マリ、柊留美、入野自由、内藤剛志、沢口靖子、菅原文太

 冒頭、主人公千尋がいわゆる神隠しに遭うまでのキャラクター描写が見事。千尋
 の両親の世代(おそらく30代後半から40代)は、『アメリカン・ビュー
 ティ』の両親の世代とほぼ同じ。裕福で、物質的に恵まれることが幸福の象徴と
 教えられてきた世代だ。

 千尋の母のファッションはシロガネーゼ風のパンツルックで、口調もはきはきし
 て、子供にも冷淡。キャリア思考の現れのように見える。父親の『この車は四駆
 だからな』という台詞にもモノに対するこだわりが現れる。

 そして、「カードと金があるから大丈夫」と、勝手に食い散らかした彼らは豚に
 される。このなんたる風刺!一見単純なお子様向け映画に見えるが宮崎監督らし
 い場面だ。

 千尋が放りこまれた世界では、お金も、両親のステータスも、名前すら役に立た
 ない。いかに頭と腕だけで勝負できるかが要となる。スポイルされて育った現
 代っ子が、泥にまみれ、白い米だけの握り飯に涙する場面には痛快なものを感じ
 てしまう。

 腐れ神や、ハクといったキャラは、失われつつある自然への懸念が顕著に表れ
 る。ストーリーこそ単純になり子供向けに思えるが、監督の訴えたいことは全作
 を通して一貫している。

 単純、といったが小難しい『もののけ姫』よりも子供は素直に受け入れられる
 筈。そして大切なことを感じ取れるはずだ。

 ところで、前列の方で騒いでいた君達は、油屋で修行してきなさい!

                               MS.QT.MAI
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>>☆2☆ジュラシック・パーク3☆<<
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    Jurassic Park3
    ★★★☆☆
    2001年/アメリカ
    監督:ジョー・ジョンストン
    出演:サム・ニール、テア・レオーニ、ウィリアム・H・メイシー

 パラセーリング中の事故がもとで、恐竜が暮らす島、イスラ・ソルナ島に迷いこ
 んだ息子を救出すべく、無謀にも島に乗り込んだ両親ら。しかしそこには予想を
 上回る恐怖が待ちうけていて・・・。

 ストーリーはいたってシンプル。正直誰が次にやられるか、ってなことは容易に
 想像できる。おまけにどう考えても非現実的な携帯電話のエピソードや(都会に
 いてもこんなに繋がらないことが多いのにあんな秘境で、しかも○○のなかから
 出てきて使えるか?ふつう。)、息子が生き残っているあたりはいかにも胡散臭
 くて仕方がなかった。

 しかし、そこは敢えて開き直ってコメディとして楽しんでしまえばよろしい。世
 間知らずのお嬢様ママさんと、情けないパパさんが、恐竜に関する知識も何も持
 たないまま素で、恐竜の島に投げこまれる姿は、ある意味1、2のようにプロ
 フェッショナルな人達との戦いよりも親近感が沸く。メイシーがリュックを背負
 うシーンに注目!そのトホホさ加減に相当笑えます。

 そして!いうまでもないがグレードアップした恐竜達は本当に素晴らしい。1で
 は技術不足で実現できなかったという翼竜が華麗に舞うシーンには圧巻です。

 でも、その翼竜に関するラストシーンは本当、感動的な音楽流してる場合か?っ
 てなくらいヤバイです。『エヴォリューション』みたいになっちゃうよ・・。

                               MS.QT.MAI
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>>☆3☆猿の惑星☆<<
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    Planet Of The Apes
    ★★★★☆
    監督:ティム・バートン
    出演:マーク・ウォルバーグ、ティム・ロス 
       エステラ・ウォーレン、ヘレナ・ボナム・カーター

 宇宙飛行士のレオ(ウォルバーグ)が乱気流に飲まれて不時着した星は、なんと
 言葉を話し人間のように振舞う猿たちが支配する恐ろしい世界だった・・・。

 正直、オリジナル版を見たのは相当幼い時なので、その時は猿と人間の立場が
 逆、位にしか感じてなかったのですが、うーん、これって相当深いストーリーな
 んだなと改めて感心。

 猿が人間を檻に閉じ込めて奴隷として売買する。気に入らなければ殺す。こんな
 シーンを見ていて思い出したのは『ルーツ』や『アミスタッド』『シンドラーの
 リスト』などの人種差別ものの映画。

 自分と違うものを恐れ、差別し、人間としての尊厳を奪い取ること、そういった
 ことの愚かさ、人間のエゴを見事に描きだしているんである。相手は猿でこそな
 いものの、こういったことが現実の世界で行われてきたのだ。

 さて、ストーリー自体は申し分ないのだが、映画としてはどうだろう、魅力的な
 キャストは人間を助けようとする猿アリ(ヘレナ・ボナム・カーター)くらい
 で、レオ役のウォルバーグは人間をみちびくカリスマを演じるにはいまいち迫力
 と知性を感じないし、人間のヒロイン、エステラ・ウォーレンに至っては『ドリ
 ブン』以上に飾り役に徹し、またもや水泳シーンが入るなどバートン監督とは思
 えない手抜きが感じられた。

 バートンらしさが出ているのは彼の奥様が演じるセクシーな猿などが参加する晩
 餐会のシーンくらいか。監督の長年の大ファンとしてはちょっと残念である。
 『スリーピー・ホロウ』は大作でも彼らしさが溢れていたのに残念でならない。

 ラストに至っては『バック・トゥー・ザ・フューチャー』か、と思うくらいハリ
 ウッド的。どう考えてもつじつまが合わないし・・・。旧作のラストのほうが
 よっぽど作品の持つ意味をしっかり伝えていたような気がします。

                               MS.QT.MAI
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>>☆4☆ロシアン・ブラザー☆<<
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    ★★★★☆
    1997/ロシア/95min
    監督:アレクセイ・バラバノフ
    出演:セルゲイ・ボドロフ Jr.

 ふと耳にしたノーチラスの「翼」を自分のテーマ曲とし、次々に冷静な殺人を
 行っていく青年ダニーラ。こいつこそ、真のターミネーター。

 この殺人は、「生きるために殺す」とは言えない。「金のため」とも思えない。
 この殺人は実は生活や金にせっぱつまった結果ではなく、『ランボー』のように
 軍隊でしこまれ、暴力に染まりきった人格からくる行動のよう。そう言えば、荒
 筋がそっくりだぞ!(今気付いたよ)

 チェチェンから来て、市場を仕切っている「チェチェン」という名前の男。あ
 あ、なんてリアルな国情。アメリカでチャイナタウンを仕切る「チャイナ」、日
 本で大久保を仕切る「カンコク」なんて名前の設定ができるだろうか?しかもそ
 んな奴等を悪とみなし簡単に引金を引く。

 殺人はよくないよ。でもその対象はギャングなわけで、任侠映画みたいなもん
 だ。市民が巻き添えを食わない点、結構監督の意識ははっきりしていると見た!

 大人の女にも、若い女にもすっかり心を乱されるあたり、まだまだ修行がたりな
 い青年ダニーラを演じたセルゲイ・ボドロフ・Jr。彼.は、秋に公開される『イー
 スト/ウエスト 遥かなる祖国』にも出演するロシアで売出し中の若手俳優。癖の
 ある顔つきは外国人にどう映るかな?

 女性にうぶで一見まじめな主人公ダニーラ。安物のコートを体に巻きつけ寒さを
 しのぎ、米ドルの札束が飛び交い、拳銃とライフルが黒光りする映画。これこそ
 現存する真のハードボイルドだ〜! ああ、ロシアに行きてぇ〜。

                                立野 浩超
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>>☆5☆ライムライト☆<<
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    Limelight
    ★★★★★
    1952/アメリカ/137分/白黒
    製作・監督・脚本・作曲・出演:チャールズ・チャップリン
    出演:クレア・ブルーム、バスター・キートン
    1972年アカデミー劇映画作曲賞

 映画館でのリバイバル上映、またビデオ、DVDや衛星テレビ等で観る事が可能な過
 去の作品群。現在に至っても影響を及ぼし続けているそれらの作品を、邦洋の東
 西を問わずご紹介しているが、今回はチャップリン特集の最後になる8回目とし
 て、名作『ライムライト』をお伝えする。

 人生に絶望し自殺を図った失業中のテリー(C・ブルーム)だが、同じアパートに
 住む落ちぶれた酔いどれ老芸人キャルベロ(チャップリン)に助けられる。
 リューマチのため歩く事も出来ず、家賃も払えないテリーを看る事にしたキャル
 ベロは、彼女の為に安いギャラの仕事を引き受けて行く。絶望から立ち直れずに
 いるテリーを励まし勇気付けるキャルベロだったが、昔のように観客から拍手喝
 采浴びる事が出来ず弱音を吐くキャルベロ。そんなキャルベロに、今度はテリー
 が励まし勇気付ける。悩むキャルベロのもとに近づこうとするテリーは、その時
 から歩けるようになる。半年後、バレリーナとして舞台に立っていたテリーは、
 若いピアニストと出会い恋する。将来において希望満ち溢れるテリーに自分は必
 要ないと悟り、彼女の元からキャルベロは去って行った。

 チャップリンがアメリカで製作した最後の作品。当時、共産主義弾圧の“赤狩
 り”の波がハリウッドに押し寄せ、『独裁者』や『殺人狂時代』のような政治的
 作品を作ったチャップリンは、FBIからマークされていたという。その為、製作し
 たもののアメリカで公開されることなく、お蔵入りとなっていた。

 この作品は、生きる喜びや人と人との愛を謳った映画である。有名なセリフ「人
 生は素晴らしい。大切なのは勇気と想像力だ。」は印象的。また、テリーが歩け
 るようになって“I'm walking . I'm walking .”と叫ぶシーンは脳裏から離れる
 ことない名シーン。

 今作には、三大喜劇王の1人バスター・キートンが顔出してる。サイレント期に
 おけるチャップリンのライバルであったキートン。だが、今作製作当時は、過去
 の人として忘れられていた。そんなキートンに声を掛け、最初で最後の共演を実
 現させたチャップリン。2人の共演シーンは抱腹絶倒だ。

 チャップリン特集は今回で終わり。彼の作品には、必ず人間の善悪の部分や愛、
 つらく貧しくとも人生の喜び、希望などがテーマとなって描かれている。彼の作
 品は、人生に悩んだり決断に困ってる際、指針になるものばかりだ。表面的な部
 分の描写に頼る映画が多い現在こそ、静かだが奥深い内容のチャップリン作品に
 1人でも多くの人が触れる機会になればとの思いがある。

                                吉田 浩二
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